• 設立手続き
  • 会社設立の諸手続き・メリット・デメリット比較の関連情報
個人事業主と法人化

個人事業の開業・確定申告と法人成りのタイミングとは(福岡編)

個人事業主開業と法人成り(法人化)

個人事業を開業するには

全国的な新型コロナウイルス感染拡大、人口減少、経済の低成長化など、逆風下の日本経済ではありますが、これから福岡で個人事業を開業しようと考えておられる方もいらっしゃることだと思います。

 

福岡で個人事業主になるための手続き、そして確定申告や税金の手続きはどうすればよいか、法人化のタイミングはいつといったお悩みをお持ちの方も多いのでしょうか?
今回は、個人事業主の開業手続き・確定申告・法人成り(法人化)についてトピックとしてまとめてみましたので、ご参照ください。

 

個人事業の開業手続きとは

個人事業主

福岡で個人事業を開業するためには、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出することが求められます。また、福岡県の所轄の県税事務所に対して「個人事業税に係る開業等報告書」を提出します。特に税務署に提出する開業届出書については、銀行口座の開設、補助金・助成金の受給などの際に控えを提出しなければならいケースもありますので控えは必ず保存しておきましょう。

 

【国税庁ウェブサイト・開業手続き】

 

その他、開業にあたって状況に応じて下記の書類を提出しておくこともよいでしょう。
  • 青色申告承認申請書
  • 青色事業専従者給与に関する届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

 

そもそも確定申告は何のためにあるの

確定申告の方法

個人事業を開業すると、原則として、毎年確定申告書を提出することになります。
この確定申告書の作業(記帳作業等を含む)については、よく大変面倒くさいと言われますが、個人事業主として事業を行っていくうえで避けては通れない道になります。
というのが、確定申告では、毎年の売上や経費を集計して事業所得を計算し、事業所得とその他の所得等の各個人の税金を計算するために行うからです。

 

青色申告の種類と白色申告の違いとは

個人事業主の確定申告の提出にあたっては、青色申告と白色申告の二種類があります。
青色申告とは、上述の「青色申告承認申請書」を提出すると認めらる申告方法であり、原則として正規の簿記による記帳を行うことが条件となります。(例外として簡易な帳簿作成も認められます。)

 

青色申告のメリットとしては、最高65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。また、ご家族で個人事業を行う場合などで適切な条件のもと青色事業専従者給与に関する届出書を提出した場合、生計を一にした親族や配偶者に支払う給与を必要経費にすることも可能です。その他、貸倒引当金、純損失の繰越しと繰戻しの制度を適用することも可能です。

 

【参考:国税庁・No.2070 青色申告制度】

 

売上額、利益額がどのぐらいいくと法人成りしたらよい?

法人化の概要

個人事業を開業して、ある程度の規模になってきたら考えたいのが「法人成り(法人化)」です。法人成りとは、平たく言うと、個人事業主が会社を設立して、法人形態での事業運営に移行することです。
法人成りに際しては、税金以外にも、事業展開、資金調達、信用・責任面、社会保険等の観点から検討する必要があります。ここでは、税金の相違にフォーカスして説明したいと思います。

 

【図1:個人事業と法人の相違】
(出典:福岡市「開業ハンドブック」から一部引用)

 

 

所得税と法人税

個人事業の場合、所得税が徴収されることになりますが、その税率は、累進課税と呼ばれ、図2のとおり所得金額が高くなるにつれて税率も上がっていきます。所得金額が4,000万円以上となると所得税率は45%に達することになります。
【図2:所得税の速算表】
(出典:国税庁ウェブサイト・「No.2260 所得税の税率」より一部抜粋)

 

一方法人の場合は、図3のとおり、法人、所得区分ごとに税率が一定税率となるため、個人事業主としての所得額が増加している段階においては、法人化した方が高い節税効果を得ることができます。
資本金1億円以下の一般的な株式会社、合同会社などの普通法人であれば、年800万円以下の所得に対しては、15%となります。
【図3:法人税率】
(出典:国税庁ウェブサイト・「No.5759 法人税の税率」より一部抜粋)

 

まとめ

以上、簡単に、個人事業を行う上で直面する3つの大きな課題、「開業手続き」、「確定申告」、「法人成り」について見てきました。もう少し詳しいお話を聞きたい方は、是非当事務所に一度ご相談いただければと思います。

関連記事一覧