法人を設立したら、社長の私は、社会保険の加入が必要?
社会保険の加入義務拡大
企業や一定の団体で働く人は通常、社会保険に加入します。ただし、パートやアルバイトなどで働く場合、勤務時間や日数が少ないために加入しないこともあります。
しかし、最近では適用範囲が広がり、加入者が増えています。(参考:厚生労働省特設サイト)
(出典:厚生労働省資料より)
社会保険は、生活や仕事で発生するさまざまなリスクに備えるための制度です。
具体的には、病気やケガ、介護、失業、高齢になった際の生活保障などが起こった場合に、給付を行い、生活をサポートします。
主な種類としては、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険があります。
一方で、雇用されていない取締役(役員)は、「どのような条件で社会保険に加入するのか」は確認しておくことが必要です。
会社設立後に加入する必要
まず社会保険の加入の条件確認します。
これから作る法人は基本的に社会保険に加入する必要性が生じます。
会社を設立した時は「適用事業所」となります。会社設立時の手続きについては、別コラム「創業時の社会保険・労働保険」を参照ください。
ただし、以下の時は適用事業所にはなりません。
- 従業員が5人未満の個人事業所、理美容業、飲食業など
- 農林漁業の個人事業所
続いてそこに働く人が社会保険の加入条件を満たしているかどうかです。
対象となる人は会社の代表者、会社の役員(一定の条件有)、正社員、パートやアルバイトで会社の1週間の所定労働時間の4分の3以上の労働時間、労働日数で働く人です。
ただし、4分の3未満でも従業員101人以上の企業(令和6年10月から51人以上)で働く人で週の所定労働時間が20時間以上、勤務期間が2か月以上の見込み、月額賃金8万8千円以上で学生以外の人は対象となります。
会社役員の加入義務
会社役員については、下記の観点などから検討を行い、社会保険加入の必要性を検討することが重要です。
- 役員報酬がない場合、加入義務はない
- 役員報酬が払われていれば加入対象(ただし、非常勤の役員に加入義務はない)
- 定期的に出勤するなど、常勤の役員か
- 役員会等への参加、経営に参画している
- 仕事内容に見合った役員報酬
- 他の会社との兼務はあるかなど
また、会社役員は基本的に労災保険・雇用保険の対象外ですが労災保険は特別加入制度があります。
また、使用人兼務役員などで一部は労働者の業務を行っているときは「労災保険」や「雇用保険」も対象にされる場合がありますので注意が必要です。
上記の「兼務役員雇用実態証明書」を所轄のハローワークに提出しておきましょう。
詳細については、社会保険労務士等の専門家、役所へお問合せ下さい。